君がいるだけで…[番外編短編集]
「美鈴~」


間延びのした声が後ろから聞こえて来て、振り返ると真里が私の後ろを歩いていた。


「真里」


「やっと授業終わったね~。」


「だね!まぁ私たちはまだ部活があるけどね」


笑いながら言うと、確かにとう同意の声が聞こえた。


そんな他愛ない話をしつつ、私たちは部室へ向かった。


制服だと汚れるので、ジャージに着替えてグラウンドに向かう。


トリュフの入ったトートバッグは、バレないように荷物と一緒に真里のロッカーへ仕舞ってある。


部活が終わる前にこっそりどちらかが取りに行き、部活終了時を見計らって渡すという流れ。


「上手く行くといいけどね」


「まぁそこはなるようになれよ!」


真里の言葉には笑いながらも、そうだね!と同意した。


そして、私たちはマネージャーの仕事を頑張った。


1年にはマネージャーが一人だけいる。


今は合計3人なわけだけど。


ただ立ってるだけの部活ではない。


4人でも忙しく感じるくらい、サッカー部のマネージャーには仕事があったりする。


でもそれが、やりがいあるっていうか。


私はサッカー部のマネージャーっていう役割が結構好き。


『集合!』


ピピーっと笛が鳴らして、顧問の先生が部員を集めた。


これは部活の始まりと終わりに絶対するミーティング的なもので、今のは部活が終わりって合図だ。


気付いたら部活終了時間になっていたみたいだった。


仕事がたくさんある時は、時間過ぎるのが早い。


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