君がいるだけで…[番外編短編集]
『『『ごちそーさまでしたー!』』』


部員一同揃って、そう言いながらお辞儀をしてくれた。


何だか恥ずかしいというか、照れるなぁ。こういうの。


「ホワイトデーは期待してるわよ~」


そう楽しそうに言った真里にまた私は苦笑い。


『おーい、真里。催促すんのかよぉ』


「当たり前よ!」


そんな会話を聞きながら、ふと思った。


今日は、慎吾がとっても、静かだ。


『美鈴も、ありがとな』


突然誰かにそう声を掛けられて驚きながらも、平常を装う。


「達也。」


先輩以外は基本、名前を呼び捨てで呼ぶ。


『美鈴もホワイトデー期待しとけよ』


「くれるんだ?」


『だってあげなかったら真里が怖いじゃん?』


それには否定は出来なかった。


『達也ー。部室戻ろうぜ』


『おう。じゃあお疲れ!』


「お疲れ~」


マネージャーは後片付けがあるので、3人だけ残って後片付けをする。


「先輩たち凄いですね、手作りなんて。」

私なんて30個入りとかのチョコ買って来ただけでしたし。


なんて付け足していたので、フォローを入れる。


「しょうがないよ、人数多いもん。一人で作るのは大変だよ~」


「でも先輩たちのトリュフとっても美味しかったです!ごちそうさまでした。」


1年のマネージャーの分ももちろん作っていたので、食べてもらった。


「そう言って貰えると作った甲斐があるよ」


「皆ホワイトデーどんなのくれるかね~♪」


「もうっ!真里はー。」


「真里先輩らしいですね。」


そんな会話を3人でしつつ、テキパキと後片付けを終えて、私たちも帰りの用意を始めた。


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