君がいるだけで…[番外編短編集]
それを見れば、私も素直に言葉が出て来た。


「私も、わかってる。ごめん。」


お互いが謝って俯いて。


真里の時みたいに、また二人でぷっと笑った。


『寒いし帰るかー。』


そう言って慎吾が歩き始めたけど、私は引き止めた。


「私が早く渡せば良かったね。」

はい、これ。と差し出した。


『えぇっ!?』


それを見て相当驚いている慎吾を見てクスクス笑う。


「もちろん、本命チョコだよ?」


その言葉で、チョコごと抱き締められた。


『さんきゅ』


耳元で聞こえる慎吾の声が少しだけくすぐったかった。


だけどすぐに慎吾は離れて行って、チョコに夢中になっていた。


「(開けるの早い…)」


犬みたいに尻尾を振ってるのが見えた気がした。


『美味い!けど、これ何…?』


開けてすぐに一口食べた慎吾は、少し驚いていた。


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