君がいるだけで…[番外編短編集]
周りがザワザワとしてる中、


『………』

『………』


俺たちは、戸惑っていた。


『だぁーっ!こんなにあったらわっかんねーよな~!』


慎吾が少し声をあげて言った言葉には同感だった。


『ありすぎだな…』


俺と慎吾は今、もうすぐに迫っているホワイトデーに備えてホワイトデーのためのお菓子が集まっているコーナーにいる。


そして、チョコやらクッキーやら…本当に数が多いので、何がいいのかと思わず二人で佇んでいた。


改めて女子を尊敬する。


『どうすっかなー』


慎吾がそう言いながら歩き出したので、俺も慎吾の後に続く。


『あ…』


そう声を発したのは俺。


『どうした?』


そんな俺の声に反応した慎吾が振り返って聞いてきたので、俺が声を発した原因ともなる方へ視線を向けたまま答えた。


『あれ、朔也先輩じゃね?』


『あ、ほんとだ!』


ちょっと離れた所で、何か迷っている様子の朔也先輩の姿を発見した。


『声掛けてみよーぜ?』


『あぁ。』


慎吾の後に続いて、朔也先輩の方へ向かった。


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