君がいるだけで…[番外編短編集]
『はっ。良かった…』


その言葉がどういうことか聞こうとして上を見上げた瞬間…


「えっ…それどういう意、ひゃあ?!」


慎吾に抱きしめられていた。


『良かった…、ほんとに。』


いつものおちゃらけた感じが全くしない。


いつも強気な慎吾がこの時だけは…

とても弱気に見えた。


だから私も、素直に慎吾の背中にそっと腕を回した。


そしたらさっきよりも少しだけ抱きしめていた慎吾の腕が

強くなった気がした。



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