君がいるだけで…[番外編短編集]
たった一歳。

でも私にとってはされど一歳な訳で。


「誠くん、いつか凜をお嫁さんにして~!!」


『凜ちゃんが、大きくなったらね。』


「うん!じゃあ凜早く大きくなる~!」


そんな話をしたことを誠くんは今も覚えてるだろうか。


その日は帰ってすぐにママに嬉し気に言ったのを覚えてる。


「ママぁ、凜ね、誠くんのお嫁さんになる~!」


そんな私に目線を合わせてママは言う。


「あらあら、じゃあ素敵な女の子にならないとね」


「うん!」


ママは、わかっていたのかな。


この恋の行方を。


「凜、どんなことがあっても一途に相手を想うのよ。」


「ママは今でもパパを愛してるから。きっと凜もそういう相手を見つけてね。」


「うん!」


その相手が誠くんであって欲しいと願っている。



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