英国喜劇リトレイス
「…ハッ!」
エルヴィスは、頭をがしがしと掻いて顔を上げる。
そして、俺をじとりと見つめた後、大爆笑をし始めた。
「ックク、俺に勝ったら人を寄越せってな?」
「いいや、違う」
「な?」
きょとんとした顔で俺を見る。
俺はそれを真っ向から睨み返す。
「俺に人を扱う力はない。だから、俺が勝ったら協力しろ」
「へえ…」
少しだけ真面目な顔で、俺を見下ろす。
「そんなことも言えるようになったんな……いいぜ。やってやろうな」
「ビビッて逃げんじゃねーぞ」
「それはお前だろうな?」
真っ向からにらみ合う俺たちの間に、大きく火花が散った。