英国喜劇リトレイス
7 死境
すぐにレイモンドとエルヴィスに話をつけ、俺は出発した。
だが……
「なぁんか物々しいな…」
イアンは後ろを振り返り、半ば呆れ気味に呟いた。
「……私、嫌い。こういうの」
セルマは普段の無表情から更に機嫌を傾けて同意。
「ねぇ、どうにかして」
二対の目がじろりと呟きを無視し続けている俺に向く。
ちょっと怖いよ二人とも。
無言の圧迫に堪えられなくなった俺は、大きくため息をついた。
「……俺に言うな。文句ならレイモンドに言えよ」