英国喜劇リトレイス
「ディゼル? 起きたか?」
ハッと目を開く。
イアンが心配そうに俺を覗き込む。
何で……
何でここで目が覚める!?
いつだってそうだ。
夜毎に見るこの夢は俺が剣を取ってあいつに迫るところで終わる。
例え幻想であったとしても、あいつさえこの手で殺れれば解放されるかもしれないのに。
夢の中で、カレンが死に苦しむこともないのに……!!
「コラ。机を叩くな。傷がつく」
「別に、こんなもん買い換えればいいだろ」
「違えよ」