英国喜劇リトレイス
「あ?」
なんだと思って顔を上げる。
イアンは凄く真っ直ぐな目で俺を見つめて、
「お前の手が、だよ」
「……ッ!!」
イアン……流石に俺の従者だぜ
厳しくて嫌がることしかさせなくて最悪な奴だと思ってたけど、
やっぱりお前は俺の親友だ!!
「イアン……お前って奴は――」
「だってこれからペンもはんこも持たないといけないだろ。
昨日半分しかやらなかった書類が残ってるし、多分遅いって苦情も含めてもっと増える。
それ以外にも――――ってどうした?」
「…ッ、俺はなぁ…今お前に、」
なんていい奴なんだって言おうとしたのに!!
「どうしてそう、途中で黙るかな」
「お前が最低だからだよ!!」