英国喜劇リトレイス
「全く、ガキは元気だな」
振り向くと、大あくびをかみ殺しながら隣のテントからエルヴィスが出てきた。
その後ろからは、平生と変わらないユノの姿もある。
何でこう従者ってやつらは簡単に早起きが出来るんだか。
「主人の世話するからに決まってんだろが」
と、またこぶに一発。
「だああぁっ! てめえはさっきからバカスカ叩きすぎなんだよ!」
「バカが直れば幸いだ」
「こんなんで直るか! つか主人に向かってバカバカ言ってんじゃねぇ!」
「だからうるさいってんな! すぐブリーフィング始めるからさっさと来い!」
エルヴィス機嫌最悪。
命令されて俺の首根っこをつかみながらユノがささやく。
「主は気分が乗らずに起きるのが嫌いなのだ」
「それ単に好きなときに起きたいだけじゃね?」
「………」
図星なのか。