英国喜劇リトレイス
「だとしても、食い止める。俺様たちでな」
ジュダスが武器を向ける。
しかしロシュは困ったように眉を下げた。
「違う違う。そういう意味じゃなくて」
「ん?」
「ボクもう帰るから」
「「は!?」」
「じゃあ、バイバイ」
え、ちょ、どういうこと!?
ロシュの姿が薄れていく。
「仕返ししたかったら、きちんとセーブしてから来なよ」
「だから!! せーぶって何なんだよ!!」
俺の叫びも虚しく―ロシュは消えた。
「…いっちまった…」
ジュダスが呆然と呟く。
その瞬間、俺の体から力が抜けた。
やべッ―
スゥ…と床がどんどん近づく。
闇に落ちる前に、皆に呼ばれた気がした。