英国喜劇リトレイス
12 別離と再会
暗く暗く……落ちていく。
時計から落ちた時のように。
景色は上へ上へと流れていくのに、体はその場に寝ているかのように何も感じない。
……俺、死んじゃったのかな
そういう思った瞬間、視界がガラリと変わり、俺は本当に寝ていた。
え!?
体を起こすとそこは夢に出てきた時計の前。
じゃあ…ここは夢の中なのか?
しかし何かが違う。
不気味な雰囲気が薄い。
ああ…霧がないんだ。