英国喜劇リトレイス
今までの夢では辺りに立ち込めていた濃い霧がない。
随分と視界がクリアだ。
俺は時計を見上げる。
針は……零時で揃い重なっている。
やっぱ、俺死んだのか。
そう思うと、なんだか開き直ってくる。
「あーあ…まだ死にたくなかったな…」
「まだ、終わってませんよ、ディゼル様」
背後から声がした。
「え?」
振り向いたそこには、柔らかい金髪の――
「セルマ!? …じゃ、ない! カレン!?」