英国喜劇リトレイス
3 魔女?賢女?
しばらく進むと、森の中にポツンと家が建っていた。
うわぁ、見るからに怪しい家だな…
イアンと目を合わせようとするが、お前の蒔いた種だろうという視線で突っ返された。
家の前でくるりと魔女が振り向く。
「ここ。私の家です。人除けの結界なら張ってある。知らない人はこないから安心して」
「おう、悪いな」
「おい、ちょっと!」
素直に入ろうとした俺の肩をイアンがつかむ。
「何だよ?」
「何の警戒もなしにいいのか? 魔女だぞ?」
「平気だろ。助けてくれたし」
「どっからくるんだその自信は…」
なぜだろう。
ものすごく呆れられている気がしてならない。
何だ? と俺がイアンを見つめていると、先に家に入った。
ちょっと待て、さっき俺を止めたのは何だったんだ?