英国喜劇リトレイス
4 北の戦い
そして何日もかけて、たどりついた。
二番目の兄貴・エルヴィスの協力を求めて、俺たちはスコットランドの都市、エディンバラに足を踏み入れた。
しかし、その頃にはもう俺はボロボロに近い状態になっていた。
「……疲れた」
「まあな。イングランドの中腹辺りの森からここまで来たからな」
「ほとんどブリテン島縦断じゃねえか!!」
思い返してみるとすげー距離。
それをほとんど休憩もなしに毎日毎日旅をしてきたんだ。
そりゃ疲れも溜まるか……
「どっかで休もうぜ?」
「まずは宿だな。それまでセルマに頼め」
イアンに言われて、俺はよたよたとセルマに近づく。
「なぁ、セルマ…魔法かけて?」