桜が降る場所 (完)
悶々と考えながら、教室にゆっくりと歩いて戻る。
何かショック過ぎて…よくわかんない。
廊下の角を曲がると、教室の前にいる二人の姿が目に入ってきた。
もう、何なの…今日、厄日かも。
「じゃあ、また明日ね」
「りょーかい」
二人は笑顔で手を振り合う。
そんなやり取りが耳に、目に入ってくる。
絵になる二人だな、と思う。
――あーあ…厄日決定だな。
鼻の奥がツンとした。
う…、泣いちゃダメ…!
私は深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
――よし。
そのまま、何事もなかったかのように、私は教室の中に入った。