桜が降る場所 (完)
―――…
委員会の後、私は高野と二人、教室にいた。
「じゃーな」
帰り支度を終えたらしい高野が声をかけてくる。
「あ、うん。バイバーイ」
私は笑顔で高野に手を振る。
高野も右手を上げて、教室を出ていく。
は~、と私は息をつく。
あーあ…帰っちゃった…。
……ほんとは、そろそろ告白しようかな、なんて思ってた。
昼にあの二人の姿を見るまでは。
昼のことがなかったら…今のタイミングで告白してたと思う。
私、自惚れてたんだ。
高野は私のことを好きなまま、待っててくれるって。
でも…とっくにタイムアウトだったんだ。
何で私って彼女がいる人ばっかり好きになるのかな…。
先生の時もそうだったもんなぁ。
諦めるしかない、よね。
諦めるのは……慣れてる。
そう。
慣れてるもん。
なのに…
涙は出るんだ。