桜が降る場所 (完)
 

私は高野を追いかけた。


まだ間に合うかな……間に合いますように。


下駄箱で靴に履き替える。


外に出た瞬間、その姿を見つけた。


咄嗟に、名前を呼んでた。


「高野!」


高野が驚いた顔で振り向いた。


「川嶋?どうした?」


目を丸くして、私を見てる。


私は息を整える。


「……ちょっとこっち。帰る前に付き合って」


半年前に高野に言われた言葉を、そのまま言った。

 
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