桜が降る場所 (完)
「ねぇ、高野」
「ん?」
高野が私の方を向いた。
「ありがと。春の桜の時」
「…いや。お礼言われるようなことしてないし」
少しだけ、恥ずかしそうな表情。
「……もう、遅いかもしれないけど」
「………?」
「高野に彼女いること、わかってるけど…!」
涙が出そうになって私はうつむいた。
だめ、顔上げろ!
「―――私、高野のことが好き!」
言った!
高野の目を見つめる。
「―――え?」
高野の驚いた表情。
そりゃびっくりするよね。
今さら何?って。