桜が降る場所 (完)
――――…
新学期が始まって約半月、新しいクラスにも慣れてきた。
「川嶋ー」
「高野。何?」
高野は俺のこと。
川嶋とは席が隣で、すぐに仲良く話すようになった。
そして委員も同じ。
「今日、委員会の集まりあるって」
「えー…めんど」
川嶋は頬をぷくっと膨らませる。
そんな顔をしつつ、『ま、しゃーないか!』とあっさり快諾。
いつも前向きで、気持ちをすぐに言葉と表情で表す川嶋。
自由奔放だよなー、と思う。
そこがいいんだけど。
「そういうことだし。忘れんなよ?」
「うーい」
右手をぴっと額にあてて、笑顔で返事する。
こういうとこ、反則だと思う。
かわいいし…。
川嶋の笑顔は人を惹き付ける。
だから、川嶋を狙ってる男は多い。
風の噂では、彼氏はいないらしいけど…。