「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
「我々科学者の希望として、申し上げさせて頂きますと、小惑星群は地球への衝突の危険性があり、できるだけ速やかに処置をして頂いたほうが宜しいのではないかと考えております。とにかく考慮可能な時間的な余裕は限られていることを、お伝えしておきます」

「これまでの、観測態勢などの状況につきましては、私の報告の後、補佐官よりあるものと存じますが、今後、小惑星群を近くより観測可能な宇宙船は一隻のみと、なっております」

「その宇宙船による観測日時は三日後の予定で準備を進めておりますが、観測の結果を待って対処していたのでは、遅きに失する可能性があり、できるだけ早く行動を起していただけますように、お願いを致したいと思います」

「以上で報告を終了致しますが、何か、ご質問はありますでしょうか」

ドイツ全権が挙手をして、質問を行なう。

「観測可能な宇宙船が、なぜ一隻のみに、なったのでしょうか。先日、調査を依頼した貨物船が消息を絶った影響でしょうか。それと小惑星群は自然の物体なのか、それとも人工的な物体なのか、如何な見解を、お持ちなのでしょうか。以上お訊ね致します」

科学者が答える。

「一隻のみになったのは、おっしゃる通り消息不明になった貨物船の影響でありますが、詳しい経緯は私の後に、補佐官より報告があると思います。それから自然の物体か、人工的な物体かの判断は三日後の、宇宙船による接近観測の結果を見るまでは、何とも言えませんが、多くの科学者は現在も人工的な物体であるとは考えておりません」

その他には、これといった質問も無く、補佐官が出てきて、これまでの状況を説明し始めた。

どうして観測を行なう宇宙船が一隻だけになったのか。また、その宇宙船による観測の方法や現在の火星の状況などを細かく説明を行なった。
< 108 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop