「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
発射ボタンを押す為に四時までには起床して、向かわなければならない。

そのつもりで夕食後、遅くとも午後八時までには、公邸へ戻らないといけないだろう。


李は警護官と共に車に乗り込んだ。

車は、後方からついてくる警護官の乗る車を従えて、ビルから外に出る。

李は運転手に、自由の女神の見える所を通り、自宅へ向かうように言った。

運転手は自由の女神がよく見える、バッテリーパーク辺りで停車しますかと訊ねたが、李は時間が無いので、見える所を走ってくれるだけでよいと答えた。

自由と平和の象徴である自由の女神が見える所を走っている間、李は、ずっと見続けていたのであった。

自宅に着くとヒュッジュが迎えてくれた。自宅の周りを警護してくれている警護官に礼を言い、家の中に入ると、心が落ち着いてくるのが分かる。

食事をしながら、ジョアンやディアンに電話をしたことなどを話して、ヒュッジュの最近の出来事や朝のジョアンからの電話の内容を聞いた。

久し振りなので、たくさん話をしたのだが、仕事の状況については何も喋らなかった。

ヒュッジュは大変な状況で仕事をしているのは分かっているが、あえて聞きはしないし、李も無用な心配は掛けたくないので、自分からは話さない。

食事が終わり、家の中を見て回る。

ジョアンの居た部屋、ディアンの部屋、夫婦の寝室、客用の部屋、キッチン、リビングルーム、応接用リビング、納戸、地下室・・・すべて見て回る。

さまざまな思い出があり、懐かしかった。

最後にガレージを見て、家に中に入りヒュッジュに言った。
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