「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
長い間、今日も入れて四日間も晴れが続いて、気持ちが良かったが、今夜からは天気は下り坂である。

由紀は、数日間にわたって苦しんだ筋肉痛も、今日は無く、理絵ともども快調である。

十九番立江寺を打ち終え、二十番鶴林寺へ向かう。

今夜の宿は、鶴林寺のある山の麓で取ってある。

四国山地の山裾を進みながら、由紀が言った。

「いよいよ、お婆ちゃんたちから聞いた二十番よ。今夜から雨で、明日は、ほとんど一日、雨みたいに言っていたよね」

「どうして・・・どうしてなの。なぜ私たちが山道になるという時には、いつも雨になるの」

「私は何も悪いこともしていないのに・・・どうしてよ」

と歩きながら、ぶつぶつ言っているので

「私も別に悪いことなんかしていないしね・・・ただの運です。それか、お母さんが雨女なのです」

と理絵が言うと

「そんなことはないと思うけど・・・」

と首をかしげながら少し間を置いて

「雨女は理絵じゃないの」

と理絵を見て言った。

ここまで四日間も晴れが続いたのだから、晴れ女だと言ってもいいのに、二人は互いに相手のことを雨女だと言い出すと、晴れが続いていたことなど忘れて、お互いに譲らずに相手のことを雨女だと言いはっている。
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