「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
そして徳島の、お婆ちゃんが替わって出てきて、理絵に、お母さんに替わって頂戴と言うので、由紀が電話に出た。
「由紀さん、あそこは大変よ。聞いた話だけれどね、今まで数多くの人が、途中の山道で斃れ死んだらしいの。遠い昔は斃れた人の死骸もあったりしたらしいわよ。鬱蒼とした山道で、その人たちの幽霊に出会ったという話も聞いたことがあるし、充分に気をつけてね」
由紀は、もともと怖がりなのに、こんな話を聞かされては、もうだめである。
「すごく怖い。明日は雨だって言うから、薄暗いだろうし、もしも幽霊に出会ったりしたら気絶してしまうわ。ひょっとすると私自身が、行き倒れになってしまうかも知れない・・・」
あまりに怖がるので、お婆ちゃんが
「大丈夫よ。今の話は作り話だから。もし怖かったら、お経を唱えながら進めば霊も寄って来ないし、気も落ち着くわよ」
と励ました。
しばらく話をして、由紀が
「もし、無事だったら、今度は明日、私から電話をします」
と言って電話を切った。
お婆ちゃんたちは、ちょっと驚かしすぎたかなぁ、と反省したが、あとの祭りであった。
由紀は相当怖じてしまっている。
午後二時、通信本部
まもなく探査機からの映像が、送られてくる予定である。
調査船から発射された探査機が、かなり小惑星群に接近している筈である。
「由紀さん、あそこは大変よ。聞いた話だけれどね、今まで数多くの人が、途中の山道で斃れ死んだらしいの。遠い昔は斃れた人の死骸もあったりしたらしいわよ。鬱蒼とした山道で、その人たちの幽霊に出会ったという話も聞いたことがあるし、充分に気をつけてね」
由紀は、もともと怖がりなのに、こんな話を聞かされては、もうだめである。
「すごく怖い。明日は雨だって言うから、薄暗いだろうし、もしも幽霊に出会ったりしたら気絶してしまうわ。ひょっとすると私自身が、行き倒れになってしまうかも知れない・・・」
あまりに怖がるので、お婆ちゃんが
「大丈夫よ。今の話は作り話だから。もし怖かったら、お経を唱えながら進めば霊も寄って来ないし、気も落ち着くわよ」
と励ました。
しばらく話をして、由紀が
「もし、無事だったら、今度は明日、私から電話をします」
と言って電話を切った。
お婆ちゃんたちは、ちょっと驚かしすぎたかなぁ、と反省したが、あとの祭りであった。
由紀は相当怖じてしまっている。
午後二時、通信本部
まもなく探査機からの映像が、送られてくる予定である。
調査船から発射された探査機が、かなり小惑星群に接近している筈である。