「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
今までのケースと同様の出来事である。

探査機の消息は途絶えてしまった。

しかし、それが何故なのかは分からない。

とりあえずは、送られてきただけでも、良かったと、しなければならない。

探査機にはカメラが、一機故障しても大丈夫なように、三機積載されていて、今回は、順番に全体像、中望遠で捉えた拡大映像、望遠で捉えた、もっと大きな拡大映像、と三機がフル稼働で送られてくるように設定してあった。

届いた写真を見てみると、三種類がそれぞれ一枚ずつあり、三機のカメラが、それぞれ一枚ずつ撮影して送ってきたところで、機能が停止したことが判明した。

送られてきた三枚の写真を、早速、科学者が別室で分析を始めた。

詳しい分析結果が出るまでには時間が必要だと言うので、分析結果が出た後、送られてきた三枚の写真と分析結果を公表することにした。

科学者が言うには、少々遠い位置からの写真ではあるが、三種類送られてきているのは、ひとつの成果であり、色々な角度から、ある程度の分析は可能であろうと言う話である。

まずは良しとしなければならないであろう。どこまでの分析ができるか、待つのみである。

李は補佐官に、探査機から写真が送られてきたことのみ公表して、詳細な分析結果と三枚の写真は数日以内に分析が終了した後、発表すると会見しておくように指示を出し、加えて各国政府にも同様に結果が出次第、情報を伝達する旨、伝えておくように言った。

李は現在の火星の状況分析を、補佐官らと話した後、公邸へと戻っていった。

ミサイル発射の会見発表後、各国政府の努力もあり、今のところ世界は平穏である。
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