「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
「お腹が空いた・・・いい運動をしたから、お腹が空いたね理絵」
由紀は急な下り坂で、足を踏ん張り続けた為に、途中で少し足が攣りそうになるぐらい足にきていた。
しかし、これまでは自分で自分を褒めながら、見栄を張って、強気な言葉を吐いてきた以上、弱気な事を言えない。
弁当を食べながら
「下り坂は、きつかったね。かなり急坂だったし膝にきそう」
と理絵が言うと
「そうねえ、でも、まあ、あれね、想定の範囲内ね」
言葉に詰まりながらも、由紀は強気に言う。
理絵は、これまで由紀の気持ちを乗せてきたのが、成功していると感じたが、単純な性格だなぁと思った。
いよいよ次のハードルである二十一番に向かって歩き出す。
最初は沢に沿って緩やかな上り坂だったのであるが、途中から一気に急坂になってきて、二人とも、はぁはぁ、ふぅふぅ、大息吐息である。
さすがに由紀が遅れかけて、理絵が励ます。何度目かに励まそうと由紀のほうへ振り向いた時に、由紀はというと何やら、ぶつぶつと言っている。
うわごとのように、ぶつぶつ、ぶつぶつ、言っている。
何を言っているのかと思い近づいて聞いてみると、お経を唱えながら歩いていたのだった。お婆ちゃんたちから言われたとおり、一生懸命にお経を唱えている。
そうかと思うと、由紀の頭の中に、斃れて亡くなった人の光景でも浮かんだのであろうか、突然、理絵に向かって大きな声で
由紀は急な下り坂で、足を踏ん張り続けた為に、途中で少し足が攣りそうになるぐらい足にきていた。
しかし、これまでは自分で自分を褒めながら、見栄を張って、強気な言葉を吐いてきた以上、弱気な事を言えない。
弁当を食べながら
「下り坂は、きつかったね。かなり急坂だったし膝にきそう」
と理絵が言うと
「そうねえ、でも、まあ、あれね、想定の範囲内ね」
言葉に詰まりながらも、由紀は強気に言う。
理絵は、これまで由紀の気持ちを乗せてきたのが、成功していると感じたが、単純な性格だなぁと思った。
いよいよ次のハードルである二十一番に向かって歩き出す。
最初は沢に沿って緩やかな上り坂だったのであるが、途中から一気に急坂になってきて、二人とも、はぁはぁ、ふぅふぅ、大息吐息である。
さすがに由紀が遅れかけて、理絵が励ます。何度目かに励まそうと由紀のほうへ振り向いた時に、由紀はというと何やら、ぶつぶつと言っている。
うわごとのように、ぶつぶつ、ぶつぶつ、言っている。
何を言っているのかと思い近づいて聞いてみると、お経を唱えながら歩いていたのだった。お婆ちゃんたちから言われたとおり、一生懸命にお経を唱えている。
そうかと思うと、由紀の頭の中に、斃れて亡くなった人の光景でも浮かんだのであろうか、突然、理絵に向かって大きな声で