「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
それを聞くと李は、ただちに主要な科学者と補佐官と軍の関係者を対策室に集め、第二次のミサイル発射と並行して、それ以外の対策の検討を始めた。

対策の協議を始めて間もなくして、李は補佐官に、会議場に待機してもらっている各国全権に午前一時三十分より小惑星群破壊の結果報告を行ない、そのまま続いて全体会議を、その後、引き続き安全保障会議を開くので、いったん解散し、午前一時三十分までに、もう一度、お集まり願うように伝え、待機している報道陣には、モニターの映像不良で爆破の確認が遅れているので、今回は速報を出さずに、明日の午前十時より詳細な会見発表を行なうので今夜は解散するように伝えるように指示を出した。

会議場に待機していた各国全権は、しばらく待機させられたうえ、一度、解散した後、午前一時三十分からの再召集、続いて全体会議と安全保障会議を開くと伝えられ、普通では無いと感じていた。

全権の、ほとんど全員が、おそらくは、すべてか一部かは分からないが、小惑星群破壊は不成功であったのであろうと直感した。

議場全体に不安感が広がっていた。

対策会議において、もしも第二次のミサイル発射が間に合わない場合、平和維持軍を出動させることになり、その運用と配置の検討が開始された。

平和維持軍には、過去、大陸間弾道弾を打ち落とす目的の為に、現在では地球を周回中の衛星などが地球上に落下してきて、被害が予想される場合の破壊に使用する為に、電子ビーム砲や迎撃ミサイルを搭載してある軍艦がある。

また同様の目的で宇宙空間に向けて発射できる迎撃ミサイルを搭載可能な戦闘機も保有している。電子ビーム砲や迎撃ミサイルは各国沿岸に配備している国もあり、小型の電子ビーム砲を搭載している地球周回衛星もある。

それらを総合的に運用して、もしも小惑星群が地球に突入してきた場合に破壊しようというのである。
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