「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

その後、小惑星群の到達予定時刻や軌道、第二次ミサイル攻撃の発射を検討したが、間に合わない事、そして地球防衛の為に平和維持軍の出動を開始するための決議を採択したいことなどを話す。

小惑星群が地球に激突する最悪の事態を、頭の中に思い描いている者も居るであろう。

そこまでは想像していない者でも、心の片隅には、大きな被害を覚悟して、腹を据えなくてはならないと、思いながら聞いているのであろう。

議場の誰もが、眉間にしわをよせて、非常に厳しい表情をして聞いている。

李は言葉を続けて

「平和維持軍の出動を、大至急、行なわなければならず、この場で安全保障会議に移行し、採択を求めたいと考えます。本来であれば安全保障会議を正式に招集するためには、全体会議において提案され、採択されるべきでありますが、火急の事態であり、省略させて頂きたく存じます。私の独断であり、申し訳ありませんが、どうぞ、ご理解下さい」

「大きな不安と恐怖を感じられている方も、おられると思いますが、強い気持ちと勇気を持って挑んでまいりましょう」

「では安全保障会議のメンバーの全権諸君で、平和維持軍出動に賛成の方の挙手を、お願い致します」

七十の手が上がり、全員が賛成である。

「ありがとうございます。全会一致で平和維持軍の出動を決定いたします。ここに、おられる全員に感謝をいたします」

李は深々と頭を下げて礼を述べた後