「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
太陽のオレンジ色の光が差し込み始めた頃、ようやく対策室で行なわれていた、部隊の配置や行動順序の決定作業が終了し、各全権は、それぞれの各国政府へ内容の伝達を、急ぎ開始した。

おおまかには

ヨーロッパ諸国とアフリカ諸国の軍隊は東大西洋とアフリカ、ヨーロッパ上空

ロシア、中近東諸国は北極海、ロシア、西アジア、西インド洋上空

インド、東南アジア諸国は南アジア、中部インド洋上空

日本を含む東アジア諸国は東アジア、西太平洋上空

オーストラリアとニュージーランドは東インド洋、オセアニア、南極上空

南アメリカ諸国は南東太平洋、南アメリカ、南西大西洋上空

北アメリカ諸国は中部と北西太平洋、中部と北アメリカ、西大西洋上空

を受け持ち地域として、部隊の配置が開始された。

各国政府は全権からの連絡を、受けるや否や待機させていた部隊に命令を発し、行動に移した。それぞれの部隊が、作戦行動地域への移動を開始してゆく。

午後七時を回った頃、李は補佐官に午前八時三十分より、会見発表の打ち合わせを行なうので、科学者や補佐官を集めておくように言って、少し外の空気を吸おうと、建物から外へ出た。

外の空気は清々しく心地よく感じた。

しばらく周囲の景色を見ていると、遠くには早朝のジョギングや散歩をしている人たちが見える。

その人々の中に、ちらっと、以前見たことのある、かわいらしい少女と親子の三人連れが、歩いていくのが見えたような気がした。

李は数十歩、前へ歩き出て目で追って捜したが、物陰に隠れてしまったのか、もう見えない。
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