「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
「我々は地球を、世界を守りぬきます。世界中の市民が安全である為に、持てる全能力を結集して、守ります」

と言葉を述べ

「これより小惑星群の軌道ならびに到達予測や具体的な防衛計画などを、科学者と補佐官が説明致します」
と言って

最初に科学者が小惑星群関係の、次に補佐官が防衛計画関係の説明を行い、終了後二十分間ほど質問を受け、最後に李が、もう一度カメラに向かって、そして世界市民に向かって語りかけた。

「我々地球人類は、過去において何度か過ちを犯し、苦しみを味わった時代があります。また何度か、一歩間違えば、地球文明の滅亡を覚悟しなければならない経験もしてきました。私たちは過去において何度も経験してきた事を糧として、今こそ世界の市民が一致団結して、小惑星群防御に当たらなければなりません」

記者たちは李を見つめたまま、身動きもせずに聞いている。

「何も恐れを抱く必要などありません。大丈夫です。勇気と知恵と行動力があれば撃滅できます。何も不安などありません。普通にしていてください。ただ小惑星群が再接近する前後の数時間は外出を控えてください」

「もし地球に小惑星群が落ちてくる事があれば、我々が防御します。あなたがた市民は、ほんの五、六時間の間、外出を控えてくれるだけでよいのです。私たちが全力を傾注してあなたがたを守ります」

一呼吸、間を置いて

「私たちは、今ここに世界の市民が、一致団結して行動してくれることを、誇りに思います。各国政府ならびに国民の皆様、そして世界中の人々が冷静に対処していただけることを感謝いたします」

と締めくくった。
< 169 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop