「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
そこへドアをノックする音がして、事務総長室の秘書官がドアを開けると、アメリカ全権ジェラルディーンと、もう一人が立っていた。

急ぎ事務総長に伝えたいことがあるので、会わせてほしいと言うので、秘書官が李に伝えると、李はジェラルディーンたち二人を招き入れソファに腰かけると、ジェラルディーンが話を始めた。

「お疲れ様です事務総長。急なことなのですが、実は、私はこれよりワシントンへ向かいます。ご存知のように我が国の副大統領が癌の摘出手術をしまして、現在も集中治療室に入ったままであります。つまり我が国は現在、副大統領が不在状態となっております。そこで現在の非常事態に、私が副大統領に代わって職務を代行することとなり、ワシントンへ行く事になりました」

「私の代わりには隣に座っているジョンデイリーが全権代行として、こちらで活動いたしますので宜しくお願い致します」

と言ってジョンデイリーを紹介して

「いろいろと、お世話になりました。大変な状況の時にワシントンに行くことになりましたが、合衆国副大統領代行として、今後も協力させていただきます」

李が労いと励ましの言葉を掛けて、二人は立ち上がり、握手をすると部屋から退出した。
李が時間を確認すると、午後一時近くになっている。

秘書官に軽食を運んできてもらい、食べようとしたが、あまり食欲が無く、少しずつ食べていると、到達予測時間の再計算の結果が出ましたと、朝から李に伝えに来ている女性科学者が入って来た。
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