「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
食事の用意がしてある広間に行くと、今夜、泊まる人たちが食事をしていて、どうやら食事をしに来たのは二人が最後のようであった。
すでに食事を終えて、お茶を飲みながら会話をしている人たちもいる。
席に座り由紀が理絵の茶碗を取って、ごはんをお櫃から掬って入れようとしていると、横の席で食事をしていた、お婆ちゃんが
「ここに着くのが遅くなったの」
と訊いてきた。
二人が来るのが一番遅かったので、そう思ったのであろう。
それから、そのお婆ちゃんと色々話をしながら食べていると、なんでも今回が四度目の、お四国巡りだそうである。
主人が亡くなった友達どうし三人グループで毎年一度、一番霊山寺に集合して車で巡拝しているらしい。
声を掛けてきた、お婆ちゃんは大阪から来ていて、向こう隣に座って食事をしている友達は地元の徳島、その向こうに座っている友達は香川から来ているそうで、地元の徳島の人の車を交代で運転しながら巡っていくのだと話してくれた。
お婆ちゃんたちは、由紀たちが女性二人だけでの歩き遍路で、しかも初めての巡礼だと知り、心配して、お四国巡りに慣れるまで、しばらく一緒に車で行かないかと誘ってくれた。
十一番の藤井寺を過ぎると四国山地の険しい山道となり、その後も、次々と難所が待ち受けていると言うことである。
ありがたい誘いではあったが、由紀は、せっかく娘の理絵と二人で決めたのだから、がんばって歩き通したいと答えて、感謝の言葉を伝え、丁寧に断った。
話をしていると、徳島のお婆ちゃんが、いつも今頃に集まって、番外札所も巡ったりしながら三週間くらい掛けて、お参りをして、最後に、ここから車で二十分くらいの美郷という所で泊まって、みんなで蛍を見るのだと言う。
すでに食事を終えて、お茶を飲みながら会話をしている人たちもいる。
席に座り由紀が理絵の茶碗を取って、ごはんをお櫃から掬って入れようとしていると、横の席で食事をしていた、お婆ちゃんが
「ここに着くのが遅くなったの」
と訊いてきた。
二人が来るのが一番遅かったので、そう思ったのであろう。
それから、そのお婆ちゃんと色々話をしながら食べていると、なんでも今回が四度目の、お四国巡りだそうである。
主人が亡くなった友達どうし三人グループで毎年一度、一番霊山寺に集合して車で巡拝しているらしい。
声を掛けてきた、お婆ちゃんは大阪から来ていて、向こう隣に座って食事をしている友達は地元の徳島、その向こうに座っている友達は香川から来ているそうで、地元の徳島の人の車を交代で運転しながら巡っていくのだと話してくれた。
お婆ちゃんたちは、由紀たちが女性二人だけでの歩き遍路で、しかも初めての巡礼だと知り、心配して、お四国巡りに慣れるまで、しばらく一緒に車で行かないかと誘ってくれた。
十一番の藤井寺を過ぎると四国山地の険しい山道となり、その後も、次々と難所が待ち受けていると言うことである。
ありがたい誘いではあったが、由紀は、せっかく娘の理絵と二人で決めたのだから、がんばって歩き通したいと答えて、感謝の言葉を伝え、丁寧に断った。
話をしていると、徳島のお婆ちゃんが、いつも今頃に集まって、番外札所も巡ったりしながら三週間くらい掛けて、お参りをして、最後に、ここから車で二十分くらいの美郷という所で泊まって、みんなで蛍を見るのだと言う。