「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
とにかく、ものすごい数の蛍が飛ぶらしくて、優に幅が数十メートル、深さが十メートルはある川が、数キロメートル以上の長さにわたり蛍で埋まるそうだ。

まるでネオンサインのような輝きで、計り知れない数が飛ぶらしい。

おそらく日本で、そう何ヶ所も見られるような光景ではないであろう。

二人には情景が想像できない。そんな数の蛍など生まれてきてから今日まで見たことが無い。

たしかに昔に比べると環境が改善し、年々蛍の数が増えている話は聞く。

理絵が子供の頃に、親子で何度か見に行った記憶があるが、淡い光を放ちながらフワフワと飛ぶのを見て、綺麗だが、なんとなく儚さを感じたりもした。

いったい、どのような光景だろう。

昼食の時に教えてもらった、つつじの森も一度は見てみたいと思ったが、それよりも興味が湧いてくる。

八十八ヶ所を巡るのに二ヶ月くらいは掛かるだろうから、今年の夏に蛍を見るのは無理であり、諦めないといけないが、いつかは見てみたい。

とりあえず場所と見ごろの時季などを教えてもらい食事を終えると部屋に戻った。

入浴を済ませて、明日の用意をし、どの辺りまで進んで、どこの宿を予約するか相談して、寝る準備をする。

由紀が蒲団を敷きながら

「理絵、さっきお婆ちゃんたちが言っていた蛍、見てみたいよね。いったい、どんなのか見てみたいわ」

「それにしても、この辺りって、いっぱい自然が残っているわねぇ。お昼に食べている時に聞いた、つつじも見てみたいし」・・・

理絵が由紀に
「うん、つつじも聞いた時は、すごいなぁ、見てみたいなぁ、と思ったけど、蛍の話を聞いて、もっと見てみたいなぁと思った。来年は、どっちに来ようか。迷ってしまうなぁ」・・・

「ねぇ、どっちに来ようか・・・できれば両方来たいけど」
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