「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
安全保障会議二日目
午前八時過ぎ・・・

李は通信本部に向かっている。

昨夜は、前の夜に、ほとんど眠っていないこともあり、わりとすんなりと眠りに就いた。

しかし六時半に起床するまでに何度も目が覚めてしまい、あまり眠った気がしないでいた。小惑星群の事が、どうにも頭から離れず、気になって目が覚めてしまうのだ。

おまけに地球外生物の乗る宇宙船が夢の中に現れて、地球を攻撃してくる夢まで見てしまい、気分の優れない目覚めになってしまった。

地球外生物が地球を襲ってくる場面など映画や小説でしか考えられず、夢で見たのをバカバカしいと思いつつ歩いていた。

それなのに歩いている途中で、ふと気がつくと本当に地球外生命が襲って来たらどうすればいいのであろうと思案している。

自分は何をバカげたことを考えているのであろうと思い直し歩いていると、知らないうちに、またもや、本当に起これば、どうすればよいのだろうかと考えている。

こんなことを考えながら歩いているのを他の人が知れば笑い話にされてしまうぞ、と自分自身に言い聞かせつつ歩いて行く。

通信本部に到着して李は現在の火星からの通信状況の説明を受けた。

「現在は火星との通信状況は良好な状態が継続しており、次々と通信不能になった入植地の状況が送られてきております。今、寄せられた情報の仕分け作業に取り掛かっており、もう少しすれば、ある程度、整理ができるものと思われます」

説明を受けた李は、何時ぐらいになれば、おおよそ整理できるのかを訊ねた。
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