「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
「地球へ帰還可能な貨物船は地球へ帰還させて、帰還が不可能と思われる位置まで進んでいる貨物船は、稼働可能な火星基地に、地球帰還用の連絡船か貨物船が待機しているであろうから、それを利用してはいかがでしょうか」

「火星に到着した貨物船が、着陸可能になるまで火星上空で待機してもらうために、火星基地で待機中の宇宙船に食料など必要な物資を積み込み、火星上空で到着した貨物船に随時補充しながら着陸可能になるまで、共に火星上空で待機してもらう」

「確か現在、建設中で一ヶ月以内に完成予定の火星基地がある筈で、完成後に火星上空に待機中の貨物船を順次着陸するという手段を、検討してみるという案は如何でしょうか」

検討して考えると言う余裕など時間的に無い。

李は、その方法が可能であるなら、そうしようと言い、すぐに火星基地に待機中の宇宙船があるのか確認するのと、新火星基地の完成予定が、いつになるのか調べるように指示をした。

同時に他に方法が考えられない以上、すぐに行動に移さなければならない。連絡船は先ほど首席補佐官の申し出た方法で救出するように、そして火星の救出した入植地の人々の為に火星基地を開放して使用するように指令した。

そこへ連絡員が昼食の用意が必要か訊きに来たので時刻を確認すると十二時近くになっている。

李は、もうこんな時間になっているのかと気がつき、軽食でいいから全員に配るように伝えた。

そして計算作業をしている科学者の後ろから作業を見守っていた。
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