「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
李は考えたが、火星基地の建設については、とりあえず救出作業が終了してから、可能な限り早期に完成させられるように考えなければ仕様が無いとして、問題は食料不足である。

地球から送って投下するしか方法が無いであろうが連絡船や貨物船では足が遅い。

となれば速度の出る調査船や探査機を使用するしかないのだが、必要な数だけ揃うのか、どうかである。

李は補佐官に使用可能な、すべての足の速い宇宙船を、火星の食糧援助に、ただちに向かわせるように言い、しばらくは継続的に送らなければならないだろうと、連絡船や貨物船も使用可能な宇宙船から順次食料を積み込み発進させるように指令した。

食料は多少足りなくなるかも知れないが、我々としては、火星へは打てる手は、すべて打つので、火星の全住民も一致協力して食糧不足に対処するように伝えておくようにも指示を出した。

午後一時が近づいてくる・・・

李は、急ぎサンドイッチを口の中に数切れ放り込むと、慌しく働いている補佐官や科学者の中から小惑星群の軌道説明を行う予定であった科学者と首席補佐官のみ呼ぶと、彼らを伴って急いで安全保障会議の議場に向かった。

次から次と対処しなければいけない問題が続出してきて、軌道説明を聞く暇が無かった。あとは議場で直接聞くしかない・・・

午後一時ちょうどにドアを開け、中へ入ったとたんに、李は全員の視線を感じた。
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