「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
太陽は沈み徐々に周囲が暗くなり、夜のとばりが下りてくる。

李は、立ち上がると、ゆっくりと歩き出した。

今朝、見えた少女たち家族や自分の家族のことでも思い出しているのであろうか。

マンハッタンのビル群に明かりが灯り、輝き始め、夜のニューヨーク、摩天楼が姿を現し始めた・・・



「理絵、今朝はすんなり起きられたね」

「うん、よく寝たもん」

由紀たちは宿の支払いを済ませ、玄関に出てきて靴を履こうとしている。

「気をつけていくのよ」

後方から声が聞こえた。

振り向くと昨日の夕食時に会話をしたお婆ちゃんたちである。

彼女らは由紀と理絵が出て来るのを玄関横のロビーで待っていたのだった。

「天気予報で今日は午後から曇ってきて夕方からは雨になるって言っていたわよ。今日だけでも一緒に車に乗っていったらいいのに」

あとの二人のお婆ちゃんも
「ほんと、ほんと、そうすれば」
と言ってくれる。

お婆ちゃんたちにとっては二人が娘と孫のように思えるのであろうか。とても心配そうな目で見ている。

由紀たちにとっては、とっても、ありがたい言葉であり、お婆ちゃんたちのことも大好きなのだが・・・
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