「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
宿に着いたのが午後三時で、ずいぶん早い到着に宿の人が、どこか体調でも芳しくないのかと訊いてきたので、予定が狂ってしまったのだ伝え部屋に入った。

部屋に入ると由紀が

「今日は予定通りに進めなかったね。本当なら十二番まで行くつもりだったのに、少ししか進めなかったね」

「残念だけれど、かえって良かったかもね。あの山道を一気に登るのは無理だったかも・・・」

と言うので、理絵が

「確かに、結構きつそうな道だったものね。ちょっと、やばかったかも」

「朝、宿を出ようとした時、お婆ちゃんたちと話なんかして、出発するのが少し遅れたのが、かえって良かったのかもね」

由紀も、そう思い
「ほんと、お婆ちゃんたちのおかげだわ・・・そういえば、あのお婆ちゃんたち、今頃どの辺りまで行っただろうね」

理絵が
「何となくいいよね。年がいっても、ああいう風に友達同士、仲良く旅ができるのって。お婆ちゃんたち、けっこう、かわいいしね」

由紀が「ほんと、ほんと」と言いながら風呂へゆく準備をして理絵に
「お風呂に入って、のんびりしようか。明日の為に」
と言い、二人とも風呂へ行った。

入浴を済ませて部屋へ戻る途中で、玄関の方から声が聞こえてくる。
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