「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
小惑星群観測
翌朝、雨が音を立てて激しく降っている。
由紀は、雨の激しく降る音で目が覚めた。
しばらく蒲団の中で身動きもせずに、目を閉じたまま、じっと音を聞いていた。
いったい何時頃だろうか・・・
まだ真っ暗であり真夜中かも知れないと思い、時刻を確認しようと、枕元に置いてあり、目覚ましをセットしてある携帯電話を、まさぐり探した。
見つけて時間を見てみると時刻は午前五時近くであった。
由紀は、以外であった。もうすぐ日の出の時間であり、そろそろ明るくなってきている筈の時間である。
そう思いながら窓のほうを見やると、外の雨音が一段と激しくなったように聞こえる気がする。
分厚い雲に覆われていて明るくなってこないのだなぁと思った後、この調子だと今日は十二番まで歩いて行くのは無理かも知れないと考えた。
隣で寝ている理絵を見ると、まだ眠っている。
このまま、もう少し眠ろうと目を瞑ったのだが、閉じた瞼の裏に宏や直が出てきてしまい、目が冴えて眠れない。
外では雨が降り続いている・・・
「お母さん・・・お母さん・・・起きてよ、お母さん」
由紀は、目覚ましが鳴っているのにも気がつかず、理絵に起された。雨音を聞いているうちに、いつの間にか眠ってしまっていたのである。