「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
蒲団を敷き横になり、二人は今日の体験を話し合っていたが、心地よい疲労感と共に、やがて眠りに入った・・・




午後一時、連合本部ビルの会議室で、昨夜に続く検討会議が始まった。

李を始め科学者や補佐官も全員が揃っているが、何も良い方策が思いつかないでいる。

とりあえず、速度の速い調査船を待機させてはいるものの、彼らとて観測に向かわせるには危険である。

いったい、どうすれば良いのか・・・

全員が考えあぐねる中、一人の科学者が発言した。

「今、思いついたのですが、待機させている調査船のうちの一隻は、地球を出発後待機しております。ということは、小惑星調査用の無人探査機を搭載しており、それを利用できるのではないかと考えます」

「つまり、ある程度まで接近する必要はあると思いますが、可能な限り離れた位置から小型探査機を小惑星群に向けて発射させ、小型探査機からの小惑星群の映像を通信本部へ送らせるという方法はいかがでしょうか」

「勿論、もう一隻の調査船は、地球へ向けての帰還途中であるため、小型探査機は使用済みで、搭載されておりません。ゆえに危険性から考えて小惑星群の観測は諦めさせて、待機を解除し地球へ帰還させるしかないと思っております」

科学者たちは、そういえば、その方法があるのに、なぜ気がつかなかったのだろうと思った。

恐らく探査機は、常には、かなり目標に近い距離から発射しているので、頭から度外視して考えていたのではなかろうか。
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