佳き日に
目的なんてひとつしかない。
今、日本中のメモリーズを敵に回してしまったこの状況をなんとかすることだ。
海外逃亡か、はたまた本格的に警察側につきメモリーズを殺していくか。
琴に考えられる方法はその二つくらいで、どちらもあまりいいやり方とは言えない。
雪ならもっと賢いやり方を考えてくれるだろう。
どこか他人任せな気持ちで琴は構えていたのだが、雪は無表情のまま予想外のことを言い放った。
「俺は本物の赤い女に会いたい。」