佳き日に




それにしても、と琥珀は考える。

これから何があるのだろう?

一週間前の物騒なことからして、かなり危険だろう。
殺し合い?
銃撃戦?

非現実すぎて全くイメージが湧かない。


気がつくと雪は1つの灰色のビルの扉を開けて中に入っていた。

「入れ。」

言われるままに後に続く。
この辺りの建物自体が何やら危ない感じがして拷問部屋のような部屋かと身構えたが、そんな必要はなかった。
クリーム色の壁。
茶色い机と椅子。
ベッドにクローゼット。
余計なものは一切なく、清潔感のある部屋だった。

奥にも色々と部屋が続いており、トイレやお風呂があるんだろうな、と琥珀は考える。
もう一度室内をキョロキョロと見渡す。

誰かが生活している様子もないが、住めるみたいだ。

琥珀がボーッとしていたら、雪がクローゼットの中から何か取り出してそれを投げてよこした。

「着ろ。」

受け取ったものは、何か赤い布のかたまりだった。

なんだろう、と思って広げてみて、絶句した。


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