佳き日に
誰かと一緒に暮らすなんて閏には初めての経験だが、それなりに新鮮で楽しかった。
「あれ、琥珀さん今日のトレーニング終わったんですか?」
「うん、終わった。」
「体力つきましたね。」
「えっそう!?」
成長期真っ盛りの琥珀は吸収がいい。
運動音痴と自分で言っているが、それほどではないと閏は思っている。
「今度雪先輩か琴に護身術教えてもらうのもいいかもしれませんよ。」
「え、その二人じゃなきゃダメ?閏は教えてくれないの?」
「僕は雪先輩と琴より下手ですから。」
すごく嫌そうな顔で琥珀は皿にクリームシチューを盛り付ける。
彼女は琴とあまり相性が良くないからか。