佳き日に




誰かと一緒に暮らすなんて閏には初めての経験だが、それなりに新鮮で楽しかった。

「あれ、琥珀さん今日のトレーニング終わったんですか?」

「うん、終わった。」

「体力つきましたね。」

「えっそう!?」

成長期真っ盛りの琥珀は吸収がいい。
運動音痴と自分で言っているが、それほどではないと閏は思っている。

「今度雪先輩か琴に護身術教えてもらうのもいいかもしれませんよ。」

「え、その二人じゃなきゃダメ?閏は教えてくれないの?」

「僕は雪先輩と琴より下手ですから。」


すごく嫌そうな顔で琥珀は皿にクリームシチューを盛り付ける。
彼女は琴とあまり相性が良くないからか。

< 228 / 627 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop