佳き日に




「これからも定期的に鉛丹と桔梗に会うのですから、用心に越したことはないですよ。」

いくら休戦を約束したと言っても、それを破ってくる奴なんて五万といる。

鉛丹と桔梗だって例外じゃないだろう。

だから裏切り裏切られの世界で生きてこれたのだ。

「そっか、そうだね、考えとく。」

そして付け足すようにくるっと琥珀は閏を見た。

「でも、少なくとも私が勉強教えている間は私を殺そうとはしないと思う。」

人を信用出来るのは美徳だと思う。
あるいは、鉛丹と桔梗が信用に値する人物だったのか。


どちらにせよ、やはり琥珀は甘いな、と閏は思った。



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