佳き日に
言葉はまるで弾丸のように



[5]



「そういえば、来てるらしいぞ。」

雪のその一言に、閏は雨の日記を読んでいた手を止めた。
読み終わったから、と琴から借りたのだ。

雪の話は主語が抜けることが多くて分かりづらい。

「誰がですか?」

「灰神楽と萩。」

突然言われた敵対する立場にある殺し屋の名前に、数秒沈黙が落ちる。

「……それ、琥珀さん危なくないですか?」

「だよな。」

あと十分もすれば琥珀の学校の授業が終わる時間だ。
琥珀はいつも一人で帰宅するのでそこを灰神楽と萩に狙われたら危ない。

「琴に迎えにいかせるか。」

そう言って雪は琴に電話をかける。


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