佳き日に
[1]
上から萩。
まるでどこかの某アイドルグループの曲名のようだ、と琥珀は思った。
上から萩。
サディスティックな奴め。
琥珀が上から降ってきた萩をどう対処すればいいのか迷っている間に、萩は素早い動きで琥珀の腹に蹴りを入れた。
「うぐぇっ!」
強い衝撃に琥珀は口から色々なものが出てきそうになった。
色々なものを出してしまったら女子として終わる気がして琥珀はなんとか耐える。
しかし、萩はそのままの勢いで琥珀の上にかぶさり、地面に叩きつけた。
全身に響く痛みに頭がクラクラする。