佳き日に

言われた通り許可をもらうため雪を探しにいこうとしたら、琥珀が開けるより先にキィィッと扉が開いた。


「あ。」

タイミングが良いことにそこにいたのは雪だった。


「お前たちここにいたのか。閏が餃子の皮包むの手伝ってほしいって探してたぞ。」

そう言って雪はチラリと目線を下げた。
その先にあるのは黒い皮の表紙の日記。
琥珀は内心ドギマギしていたが、雪の反応は呆気ないものだった。


「お前、あれ見つけたのか。」

「う、うん。ちょっとだけ読んだ、ごめん。」

「別にいいぞ。それよりも早く読み終わって感想聞かせてくれ。」

「感想？」

きょとんとする琥珀と琴。
それに構わず雪は部屋から出て行くので慌てて後を追う。