佳き日に



「あれ、雪トイレ?」

「あぁ。」

琥珀の声に顔を上げると雪が歩いてきていた。
そのまま通り過ぎる。

ただ、雪が桔梗の横を通り過ぎるとき。

雪はとても低く、冷たい声で桔梗に囁いた。


「次やったら殺す。」


ちくしょう、バレてた。

桔梗は下を向き唇を噛んだ。

足が自然と早足になる。

ドキドキバクバクと鳴り続ける心臓がうるさかった。


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