佳き日に
ふーっと、何となく大まかな内容を把握したので一息つく。
「白川。」
「はい。」
「あんたは、政府の本当の計画を始めから知ってたわけ?」
「まぁ、大体は。詳しくは知らないですけど。」
「正しいと思ったの?」
冷たい言い方になった。
ゆっくりと振り向けば、白川は眉を下げて笑っていた。
「分からないです。仕事だと思って割り切ってました。」
分かる気がする。
世の中全ての物事は何のためにやっているのかいちいち考えればキリがない。
割り切って黙々とやるべきことをやっていくのが一番楽だろう。
でも、せんべいが言っていた山犬たちに助かって欲しいという気持ちも、分かる気がする。